コーネル大学数学科Wolfgang Fuchs教授

私がコーネル大学大学院の物理の学生だった頃、数学科の Wolfgang H. J. Fuchs教授(1915年−1997年)の物理数学の講義を履修した。 その講義は、講義ノートを一切見ずに、複雑な証明も 全て黒板上で再現してしまうもので、格好良かった。 当時、Fuchs教授は既に60代半ばだったが、その頭脳明晰さ に感動したものである。また、とても穏やかで優しい人だった。 ドイツ出身で第2次世界大戦 の勃発前後にイギリスに渡り、更にアメリカに来られたとの ことであった。ヨーロッパ人らしく、数学だけでなく、 教養豊かな教授だった。 卒業後10年余りたってから、出張でコーネル大学に立ち寄ったときに、 ちょうど、Fuchs教授の学内でのメモリアルサービスに出席することが できた。

Memorial Service (March 8, 1997) のプログラム

プログラム中にある、Fuchs先生が死の床で記憶を頼りに走り書きして、 奥さんのDorotheeさんに手渡した詩は Edmund Spenser (c.1552年−1599年) の The Faerie Queene の Book 5 ではなく、Book 1 の Cant. IX. だったようである。 以下のホームページ

http://www.luminarium.org/renascence-editions/fqintro.html

に、先生の書いたものに非常に似た、次のような文章を発見した。

He there does now enioy eternall rest
And happie ease, which thou doest want and craue,
And further from it daily wanderest:
What if some litle paine the passage haue,
That makes fraile flesh to feare the bitter waue?
Is not short paine well borne, that brings long ease,
And layes the soule to sleepe in quiet graue?
Sleepe after toyle, port after stormie seas,
Ease after warre, death after life does greatly please.

Memorial Service では次の2曲の室内楽の生演奏もされた。Fuchs先生が好きだった曲なのであろうか。

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